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違法スカウト「ナチュラル」代表・小畑被告が初公判で起訴認める 東京地裁

女性を性風俗店に紹介したとして職業安定法違反に問われた違法スカウトグループ「ナチュラル」のトップ・小畑寛昭被告(41)の初公判が21日、東京地裁で開かれた。小畑被告は「争いません」と起訴内容を全面的に認め、検察側は2009年ごろからのグループの実態を冒頭陳述で明らかにした。

違法スカウト「ナチュラル」代表・小畑被告が初公判で起訴認める 東京地裁

初公判の経緯

女性を性風俗店に紹介したとして職業安定法違反(有料職業紹介事業の無許可営業)の罪に問われた違法スカウトグループ「ナチュラル」のトップ・小畑寛昭被告(41)の初公判が、2026年5月21日に東京地裁(裁判長・田中誠司)で開かれた。

小畑被告は開廷直後、裁判長から起訴内容の確認を求められ、「争いません」と述べ、起訴内容を全面的に認めた。

検察側の冒頭陳述

検察側の冒頭陳述では、グループの結成から起訴に至るまでの経緯が詳細に説明された。

小畑被告は2009年ごろに「ナチュラル」を立ち上げ、路上やSNSで女性をスカウトして性風俗店に紹介するビジネスを開始。配下のメンバーが首都圏を中心に路上での声かけ・SNSでの接触などを行い、スカウトした女性の月収の約20%を「スカウトバック」と呼ばれる紹介料として受け取り続けた。

起訴状の内容

起訴状によると、小畑被告は2023〜2024年にかけて、グループメンバーと共謀し、スカウトした20代女性数人を群馬県高崎市と千葉県松戸市の性風俗店に紹介したとされる。これは一連の捜査で確認された案件の一部であり、グループの実際の活動範囲はさらに広いとみられている。

ナチュラルの実態

捜査で明らかになったナチュラルの組織像は以下の通り。

  • 設立:2009年ごろ(小畑被告が単独で立ち上げ)
  • 活動期間:少なくとも2009〜2024年の約15年間
  • 活動エリア:東京都内を中心に、埼玉・千葉・群馬・神奈川など関東全域
  • スカウト方法:路上での声かけ、SNS(Twitter・Instagram等)を使った接触
  • 収益構造:紹介先の性風俗店から女性の月収の約20%を継続的に受領

グループは最盛期に20人以上のスカウトメンバーを抱え、複数の性風俗店と「専属契約」を結ぶ形で安定した収益を上げていたとされる。

グループの中での小畑被告の役割

検察側は冒頭陳述で、小畑被告がグループ全体の統括として①スカウトメンバーの採用・管理、②性風俗店との交渉・契約、③収益の管理・分配、の全てを直接指揮していたと指摘した。

「被告は単なる実行役ではなく、グループの設立者・経営者として組織的な違法スカウト業を約15年間にわたり主導した」と検察官は述べた。

2023年の捜査着手から今回の公判まで

2023年6月に警視庁が関係先への捜索を開始してから、今回の初公判まで約3年が経過した。その間に幹部ら複数人への逮捕・有罪判決が先行し、小畑被告の逮捕は2025年秋に実現。起訴から約半年を経て初公判に至った。

今後の裁判の見通し

小畑被告が起訴内容を全面的に認めたため、今後の公判は「量刑の決定」が焦点となる。弁護側は「被告は誠実に反省しており、寛大な判決を求める」との方針を示しているが、約15年にわたる組織的な犯行という事実の重さから、実刑判決は不可避とみられている。

次回公判は6月18日に予定されており、被告人質問と論告求刑が行われる見通しだ。


背景:違法スカウト問題の全体像

「ナチュラル」事件は、日本の性風俗産業をめぐる複合的な問題を象徴する事案だ。

違法スカウトとは何か

職業安定法では、有料で職業を紹介する「有料職業紹介事業」には公共職業安定所の許可が必要と定められている(同法30条)。許可なしで女性を性風俗店に紹介し、対価(スカウトバック)を受け取る行為は、この規定に違反する。

被害女性の状況

違法スカウトの被害を受けた女性の多くは、「高収入の接客業」「モデルの仕事」などと偽って誘われており、実態を知った後でも「断りにくい状況」に置かれるケースが多い。スカウト組織が借金を作らせる・個人情報を握るなどの方法で逃げられなくする場合もある。

2020年代の取締強化

警視庁は2020年代に入り、違法スカウトへの取締りを大幅に強化。摘発件数は年々増加しており、今回の「ナチュラル」の主犯逮捕・起訴は、その集大成ともいえる成果だ。


本記事は2026年5月21日の時事通信報道および捜査関係者への取材をもとに構成しています。