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「ナチュラル」会長、偽名ホテル宿泊の追起訴分も「争いません」 田原市76日・奄美市45日の潜伏生活が法廷で明らかに 東京地裁

違法スカウトグループ「ナチュラル」会長の小畑寛昭被告(41)の公判が2026年9月24日に東京地裁で開かれ、愛知県田原市と鹿児島県奄美市のホテルで架空の氏名・住所を記入して宿泊者名簿を偽造したなどとする追起訴分について、被告は「争いません」と述べた。テレビ朝日系(ANN)の報道によると、検察側は田原市のホテルに76日間、奄美市のホテルに45日間滞在したと指摘し、ホテル従業員の「かなり羽振りがよかった」とする調書を読み上げた。本体の職業安定法違反の罪はすでに5月の初公判で認めており、審理は指名手配から逃走中の行為へと広がった形だ。

「ナチュラル」会長、偽名ホテル宿泊の追起訴分も「争いません」 田原市76日・奄美市45日の潜伏生活が法廷で明らかに 東京地裁

9月24日公判の経緯

国内最大規模とされる違法スカウトグループ「ナチュラル」の会長・小畑寛昭被告(41)の公判が、2026年9月24日、東京地裁で開かれた。テレビ朝日系(ANN)が同日報じ、系列局のKSB瀬戸内海放送なども同じ内容を配信している。

この日審理されたのは、逃走中の宿泊をめぐる追起訴分である。起訴内容は、愛知県田原市と鹿児島県奄美市のホテルに泊まる際、架空の名前や住所を記入して宿泊者名簿を偽造したなどとするもの。裁判長から起訴内容に誤りがないかを問われた小畑被告は「争いません」と答えた。

小畑被告は、女性を性風俗店に紹介した職業安定法違反の罪について、2026年5月21日の初公判で起訴内容をすでに認めている(時事通信など報道)。今回の答弁で、これまでに起訴された罪をいずれも争わない姿勢が改めて示された。

なお、本記事で扱う事実はいずれも公判段階のものであり、判決は出ていない。

法廷で示された「潜伏生活」

ANNの報道によると、検察側は証拠調べの中で、逃走中の宿泊実態を次のように指摘した。

項目 法廷で示された内容(ANN報道)
愛知県田原市のホテル 76日間滞在
鹿児島県奄美市のホテル 45日間滞在
宿泊者名簿 架空の氏名・住所を記入
従業員の供述調書 「かなり羽振りがよかった」
被告の答弁 「争いません」

奄美市の件については、2026年8月25日の再逮捕時に、時事通信・産経新聞・FNNなどが「架空の人物名義で44泊分の宿泊料金を現金で前払いした」「部屋の金庫から現金約170万円が見つかった」と報じていた。「44泊」と今回の「45日間」は、泊数と滞在日数の数え方の違いとみられる。

田原市の件は、奄美市の件に先立って同じ偽名宿泊の疑いで立件されていたもので、今回の公判で両方の宿泊がまとめて審理されたことになる。二つのホテルを合わせると、滞在は4か月近くに及ぶ。

逃走から身柄確保まで(既報の整理)

今回の追起訴の背景にある逃走の経過を、これまでの報道から整理しておく。

  • 2025年1月ごろ:小畑被告が行方をくらませたと報じられている
  • 2026年1月21日:暴力団側にみかじめ料を渡したとされる東京都暴力団排除条例違反の疑いで公開手配
  • 2026年1月26日:「奄美の方で似ている人物がいる」との情報提供を受け、奄美市内のコンビニエンスストアで身柄確保。ひげを生やし黒縁眼鏡をかけていた
  • 2026年5月21日:職業安定法違反の初公判で起訴内容を認める
  • 2026年8月25日:奄美市のホテルでの偽名宿泊(有印私文書偽造・同行使)の疑いで再逮捕。報道によれば9回目の逮捕
  • 2026年9月24日:田原市・奄美市の偽名宿泊をめぐる追起訴分について「争いません」

公開手配から5日で身柄が確保されたが、それまでの約1年間、ホテルを転々としながら長期滞在を続けていたことが、今回の公判で改めて浮き彫りになった。

本体の罪:女性を性風俗店に紹介

小畑被告の公判の中心は、あくまで職業安定法違反(有害業務目的の紹介)である。5月の初公判で検察側は、小畑被告が2009年ごろにグループを立ち上げ、配下のメンバーが路上などで女性を勧誘し、女性の給料の約20%を紹介料として店側から受け取る仕組みを運営していたと指摘した(時事通信報道)。起訴されたのは、2023〜2024年にグループのメンバーと共謀し、20代の女性らを群馬県高崎市や千葉県松戸市の性風俗店に紹介したとされる事件だ。

さらに6月には、千葉市のソープランドから紹介料名目で得た約3920万円を隠したとして、集金役の幹部らが組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕されている。本体の罪、資金の流れ、逃走中の行為と、立件は複数の方向に広がってきた。

背景:「逃げた代償」も量刑の材料に

今回の追起訴は、スカウト行為そのものではなく逃走のためについた嘘を問うものだ。宿泊者名簿は旅館業法でホテル・旅館に備え付けが義務づけられた記録で、犯罪捜査や感染症対策の基盤にもなる。そこに架空の人物を書き込めば、私文書の偽造として独立した罪になる。

一つひとつは軽く見えても、実務上の意味は小さくない。

  • 併合審理で量刑に上乗せされる:複数の罪が一緒に審理されれば、判決では全体を踏まえた刑が言い渡される。逃走中の行為は、情状の面でも被告に不利に働きやすい
  • 「組織の資金力」を示す材料になる:4か月近いホテル暮らしを現金でまかなえたこと、従業員に「羽振りがよかった」と映っていたことは、グループがどれだけの資金を生んでいたかを間接的に物語る
  • トップを切っても組織は止まらない:会長の身柄確保後も、ナンバー2(6月)、募集・あっせん役(8月)、大阪での紹介役(9月)と、各層への立件が続いている。収益源であるスカウトバック(紹介料)の構造そのものが残る限り、末端の活動は再生産されうる

2025年6月施行の改正風営法は、性風俗店がスカウトに紹介料を支払うことを禁止した。しかし、名目を変えた支払いが続いているとの報道もあり、規制の実効性はなお検証の途中にある。国内最大級とされたグループのトップが、どのような判決を受けるか。その量刑は、業界と捜査当局の双方にとって一つの基準になる。次回期日や求刑の時期については、現時点で報じられていない。


本記事はテレビ朝日系(ANN)、KSB瀬戸内海放送(ANN系列)の2026年9月24日の報道を中心に、時事通信、産経新聞、毎日新聞、FNNプライムオンライン(フジテレビ系)等の既報をもとに構成しています。9月24日の公判内容はANN系の報道によるものです。起訴内容は公判段階のものであり、判決は確定していません。