「マート」という看板を疑うところから
東京巨乳デリヘルおっぱいマート は、新宿・歌舞伎町を拠点に都内全域へ派遣する巨乳専門のデリヘルだ。掲げるキャッチは「3度の飯よりおっぱいが好き」な客のための【おっぱい専門店】。そして「玄関からすぐに」巨乳を堪能できる、という一文がある。
正直に言うと、この手のコピーは20年のあいだに何百回も見てきた。「専門店」は風俗の世界ではいちばん安い言葉のひとつで、在籍の半分がCカップでも平気で名乗る店がある。だから私はまず、看板の言葉を一度バラして考える。
「マート」とは小売店、つまり品揃えと買いやすさで勝負する業態だ。ブティックのように一点物を高く売るのでもなく、専門料理店のように一皿を極めるのでもない。棚に何がどれだけ並んでいて、客が迷わず手に取れて、レジで予想外の金額を言われないこと。この店がその名前に見合うかどうかを、今回の検証軸にした。
棚を数える——88人の「売れ筋」はHカップ
まず在籍一覧を眺めた。掲載は88人。プロフィールのバスト表記をひとつずつ拾っていくと、カップの分布がはっきり見えてくる。いちばん多いのはHカップで27人、次いでIカップが23人、Jカップ17人、Gカップ13人。Kカップは6人、Lカップが1人、Eカップ表記が1人だった。
面白いのは、山の頂点がHにあることだ。巨乳店は往々にして「Kカップ在籍!」「Lカップ爆乳!」と最大値を看板にしたがる。だがこの店の棚は、G〜Jの“よく売れる帯”に厚く在庫を積んでいる。バスト表記も87〜118の範囲に収まっていて、極端なトップ商品で客寄せするより、選んで外しにくい中心帯を太くする並べ方に見える。スーパーでいえば、特売の目玉より定番棚の充実を優先している作りだ。
身長は150cm台後半〜160cm台前半に集中しており、146cmから175cmまで幅はあるものの、平均的な体格の子が中心。年齢表記は20〜23歳あたりに固まっている。プロフィールのキャッチは「美巨乳」「神スタイル」「清純派」といった見た目推しが多く、「現役のA〇女優」と書かれた子が1人、グラビア表記のアイコンが付いた子もいた。店の紹介文にある「素人からAV女優まで」は、実態としては“素人中心の棚に、少数の話題商品を置いている”と読むのが正確だろう。
レジの値札——基本、新人、クーポン、そしてセット
次に値札を見る。ヘブンの店舗ページから読み取れた範囲では、基本は60分12,000円〜。新人は指名料込みで60分15,000円。ヘブンのクーポンを使うと60分13,000円(35%OFF表記)になる。料金表の詳細は画像で掲載されていて、交通費や延長の細かな数字までは今回テキストで確認しきれなかったので、ここでは断定しない。電話の際に「ヘブン見た」と伝えるのが割引の条件だ。
そして店のトップを開くと、画面いっぱいに出てくるのが「ローション風呂オプションをセットにしたWEB限定コース」の告知である。70分20,000円、指名料込み。マイクロビキニとディルド、バイブも無料でセットになる。本指名でも使えるが、その場合は別途本指名料がかかる。女の子と一緒にシャワー、という注記も添えてある。
ここで“マート”の本領が見える。単品で買うと合計がいくらになるか客が暗算しなければならないオプションを、ひとつの値札にまとめて棚の一番目立つところに置く。いわゆる「セット販売」だ。客にとっての価値は安さそのものより、レジで追加料金に怯えずに済むことにある。私は20年のあいだに、オプションの積み上げで会計が想定の倍になった経験を何度もしている。だから今回は、迷わずこの目玉セットを選んだ。
「玄関からすぐに」は本当にすぐだったか
電話は昼過ぎ。受付は11時から翌5時まで、営業は12時から翌5時までとある。「ヘブンを見て、ローション風呂のWEBコースで」と伝えると、受付の男性は「セットのコースですね、指名料込みで70分2万円です」と、こちらが言う前に総額を復唱した。値札と口頭の金額が一致する、という当たり前のことが、この業界では案外当たり前ではない。好みを聞かれたので「G〜Hくらいで、会話が普通にできる子」と頼むと、出勤中の中から2人の名前を挙げ、片方は新人だと正直に付け加えてくれた。私は新人でないほうを選んだ。
歌舞伎町のホテル街、区役所通りから一本入った一室で待つこと二十数分。ノックの音に扉を開けると、コピーの意味がすぐにわかった。ニット越しでも輪郭がはっきりわかる胸が、文字通り玄関先で視界を占領する。プロフィールはHカップ。数字に対して盛っている印象はなく、むしろ写真より柔らかそうな雰囲気だった。
「玄関からすぐに」という言葉は、要するに“入室直後から主役を隠さない”という接客方針の宣言なのだと思う。彼女は荷物を置くとすぐに、「お風呂、お湯ためますね。ローション多めにしときます?」と聞いてきた。セットで選んだ客が何を期待しているのか、店として共有できている証拠だ。
ローション風呂という「目玉商品」の中身
一緒にシャワーを浴びたあと、ローションを溶いた湯船へ。デリヘルでローション風呂をやるとき、最大の敵はホテルの浴槽の狭さだ。二人で入ると身動きが取れず、ただぬるぬるした湯に浸かっているだけで終わる——そういう“名前だけのオプション”を私は何度も見てきた。
彼女はそこをよくわかっていた。先に自分が浴槽の奥に入り、こちらを背中から迎える形にして、胸を背中に預けてくる。狭い浴槽でも密着の面積が最大になる体勢で、しかも自分の重さを使って滑らせるので、無理に動かなくても成立する。巨乳店がローション風呂を看板にする理由が、ここで腑に落ちた。ローションは胸の重さと柔らかさを「感じさせる装置」なのだ。普通の店のオプションとは、同じ名前でも役割が違う。
セットに入っているマイクロビキニは、ベッドに移る前に着替えてくれた。Hカップにマイクロビキニは、布というより線である。本人も「これ、ほぼ意味ないですよね」と笑っていた。ディルドとバイブは「使います?」と一度だけ確認され、こちらのペースに合わせて使うかどうかを決められた。無料で付いてくるからといって押し付けてこないのは、セット販売として健全だと思う。店のページにはセーラー服やメイド、花魁などのコスプレも並んでいたが、今回はセットの中身だけで70分は十分に埋まった。
70分という尺の妥当性
70分は、ローション風呂を入れるならほぼ最低ラインだと感じた。湯をためる、一緒に入る、ローションを流す、ベッドに移る。この段取りだけで30分近くは使う。60分の基本コースにローション風呂を足すと、後半が慌ただしくなるのは目に見えている。セットが70分で組まれているのは、単なる値付けの都合ではなく、所要時間から逆算された尺なのだろう。
一方で、2万円という金額は基本コースの60分12,000円〜と比べれば明確に高い。ローション風呂に特に興味がない人、胸そのものを落ち着いて味わいたい人なら、クーポンで60分13,000円のほうが満足度あたりの単価は良いはずだ。このセットは「ローション×巨乳」という組み合わせを体験したい人向けの商品で、万人向けの最適解ではない。そこを取り違えなければ、値札に不満は出ないと思う。
帰り際、彼女は浴槽のローションをきちんと流して栓を抜き、タオルで縁を拭いてから部屋を出た。ホテルに迷惑をかけない後始末まで含めて、この店のローション風呂は「商品」として完成していた。
まとめ
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 在籍の品揃え(棚の厚み) | ★★★★★ |
| 料金の明朗さ | ★★★★☆ |
| 受付対応 | ★★★★☆ |
| ローション風呂セットの完成度 | ★★★★★ |
| コスパ(基本コース比) | ★★★☆☆ |
| 総合 | ★★★★☆ |
「マート」という店名は、看板倒れではなかった。在籍88人の山はHカップにあり、極端な数字で釣るより、外しにくい中心帯を厚く揃えている。目玉のローション風呂セットは70分20,000円・指名料込みと値札が一本化されていて、受付も口頭で同じ金額を復唱した。棚の並べ方とレジの明朗さ、という小売の基本が押さえられている店だ。
注意点は、セットが「全員にとってお得な商品」ではないこと。ローション風呂に興味がなければ、クーポンの60分コースで十分に店の実力はわかる。逆に、巨乳とローションの組み合わせを一度きちんと体験してみたいなら、狭い浴槽でも段取りで成立させてくる、この店のセットは試す価値がある。